【バンドリ!SS】つぐみ「Afterglowでクリスマスパーティー!」〔バンドリ!情報局の楽屋!#2〕
商店街の中を覗いてみると、いつもとなんだか雰囲気がちがう。
街はいつもより明るく、日も落ちているというのに子どもたちの明るい声が賑やかに聞こえる。
それもそのはず。なんたって今日はクリスマス・イブ。
商店街の中ではクリスマスソングが流れているし、中央の広場にはクリスマスツリーが飾ってある。
そんな気分も心もウキウキしてくるクリスマス・イブには、私たちafterglowでは必ずやることがある。
「つぐー!来たよー!」
そんなこんなで窓を見ていると、ピンク色の髪をした少女が他の3人をつれて私の家族が経営するお店のドアを開けた。
そう、クリスマスパーティー。私もこの日がすごく楽しみで張り切って準備しちゃった。
毎年クリスマスパーティーをするのだけど、今年も例のごとく私の家でクリスマスパーティーをすることになった。
「相変わらず飾り付けがすごいね。」
「ああ、そうだな。壁にまで飾ってあってさすがだな!」
「さすがつぐ。つぐってるなあ~」
「うんうん。つぐっちゃった。」
今まで頑張ってやってきたものをほめられるのはやっぱり嬉しい。
だってせっかく楽しい会だから一生懸命準備して、みんなと楽しい時間をすごせるのって楽しいでしょ?
「それはそうと、さっき出来た料理が冷めちゃうから、座ってパーティーはじめよ?」
そう言うとみんながそれぞれ席についた。
テーブルの上にはお母さんがつくってくれた料理がたくさん並んでいる。
もちろん私も手伝った料理もたくさんあるよ!
じゃあいよいよ乾杯!って行こうと思ってたんだけど、ひまりちゃんがSNS映えだ!って行って写真を撮っていると言う一悶着があったけど、みんなで乾杯することになった。
「じゃあ、乾杯しようと思うんだけど、やっぱり乾杯の音頭だれがやる?」
蘭ちゃんがそんなこというと、さっきまで写真を撮っていた少女に4人の目線が集まった。
「え?私がやるの?そこは蘭でいいじゃーん!」
「いやだってあたしより、こういうのはリーダーがやった方が良いかなって」
「だよな!やっぱりこういうのはひまりじゃないと締まらないよな!」
いきなりふられたことに困惑しながらも、しぶしぶと席に立ち上がった。
「ひゅー。ひーちゃんかっこいいよー」
こんなような感じでひまりちゃんがやることが決まった。
…ってことは、いつものあれをやるのかな?
「えーごほん。まずは今日皆さん集まっていただきありがとうございます。このクリスマスパーティーを楽しみましょう!」
「それでは、えいえいおー!」
「「「「…」」」」
「それじゃあみんな、メリークリスマース」
「「「メリークリスマース!」」」
「もう!なんでいつもこうなるのー!」
「ひーちゃん、ここまでがテンプレートだよ?」
ひまりちゃんがかけ声をいって、モカちゃんがそれをスルーする形で乾杯して、クリスマスパーティーの幕が上がった。
毎年同じような流れをしているから、私もなんだか慣れちゃった。
やっぱりAfterglow(私たち)はどんなことがあってもいつも通りなんだなって思う。
そんなこともありつつ、クリスマスパーティーは順調すすんでいき…
「あっ!そういえばみんな、クリスマスプレゼントは持ってきたか?」
「もちろんもってきたよ!」
そういえばこの前クリスマスパーティーの話がでた時に、プレゼント交換会もやろうって言っていたっけ。
確かひまりちゃんがモカちゃんで、モカちゃんが蘭ちゃん。
蘭ちゃんが巴ちゃんで、巴ちゃんが私だね。
私巴ちゃんからもらうけど、どんなものがもらえるか楽しみだな。私のプレゼントもひまりちゃんが喜んでくれるといいな。
「じゃあ最初はだれから渡そうか。」
「あ、じゃあ私から行くよ!確かモカに渡せばいいんだよね?
はい、どうぞ!」
「おおお…これはもしかして…」
「そう!やまぶきベーカリーのパン無料券!しかも1週間分だよ!沙綾ちゃんに頼んで特別につくってもらったものだから大事にしてね!」
「さーやもひーちゃんも大好き~。ありがとう~」
「確かにモカはパンが大好きだもんな!アタシもラーメンの無料券ついてこないかな~」
ひまりちゃんのプレゼントはやまぶきベーカリーのパン無料券だった。
それはもうモカちゃんに取っては天国に上るような気分だよね。
それはそうと、沙綾ちゃんもなかなかすごいな…
私も今度お店の無料券を誕生日プレゼントであげるって人がいたら、強力するようにしよう。
「そしたら何のパンを買おうかな~?まずメロンパンでしょ?それからジャムの入ったパンも外せないし…あとはクロワッサンとか!他には~…」
こういう話を聞くとモカちゃんは本当にパンが好きなんだなって思うよね。今度やまぶきベーカリーのオススメのパンをモカちゃんから教えてもらおうかな。
「そしたら今度はモカちゃんか~。蘭喜んでくれるかな~」
「モカのくれたものだったら何でも喜ぶよ。」
「えへへ。ありがとねー。それじゃああたしが選んだ誕生日プレゼントはコレだよ」
「これは…マフラー?」
「そうそう。いつも蘭同じモノ首に巻いてるから、少しイメチェンして見たらどうかなーって」
「あ、確かに良いかもね。蘭ちゃんつけてみなよ。」
そう言うと蘭ちゃんは首にマフラーを巻いてみた。イメージカラーの赤も相まって似合っていた。
「わあ、蘭暖かそうで良いじゃん!」
「そうだな!いつもと少し違う雰囲気で似合ってるぞ!」
「…ありがと」
「わわ、蘭ちゃん顔赤くなっているよ!マフラー脱いだ方がいいんじゃない?」
「あれれ?モカちゃんのプレゼントそんなに嬉しかったー?照れちゃってー」
「て…照れてなんか無いから…!」
そんな蘭ちゃんとモカちゃんの一悶着があり、二人のプレゼント交換が済んだ。となるとお次は…
「そしたらあたしだね。」
「そうだな!アタシになにくれるのか楽しみだな!」
蘭ちゃんから巴ちゃんだね。
そういえばさっき、ひまりちゃんからモカちゃんのプレゼントの時、少し蘭ちゃんがギクってしてたけど…なんだろうか?
「私のプレゼントはコレなんだけど。もしかしたらひまりのプレゼントと少しかぶっちゃたかも知れないけど」
「えっ!コレってもしかしてラーメン!?蘭つくったのか!?」
そこにあったのは、天然とんこつラーメンで有名なお店。一○風のラーメンだった。
「まあ…色々調べながらやったけど、おいしさは保証出来ないかも」
「じゃあ早速たべてみるか!これはおいしい!さすがだな」
「なるほど~。蘭だからこそ一○みたいなとんこつラーメンをつくったのか~。」
「モカ別にそんなことはないよ。」
「ええちょっとだけ私にも食べさせて!」
「ひまり少し食べても良いけど、少し太っちゃうぞ?」
「うっ…で、でも明日運動するからきっと大丈夫なはず!」
そういうとひまりちゃんは、巴ちゃんから少し○蘭風ラーメンをもらっていた。ひまりちゃんが食べ出すとみんなも一斉に食べ出した。
私もちょっとだけもらおうかな。
「うーん。やっぱり蘭だからこそつくった一○ラーメンおいしいねー」
「モカ、絶対その言葉気に入ってるだろ。そればっか言ってると蘭にきらわれるぞ?」
「そんなことで蘭はモカちゃんのこと嫌いにならないよー」
「蘭ちゃんこのラーメンすごく美味しいよ。」
「蘭~。今度私たちにもつくって~」
そんなこんなでラーメンをみんなで食べてしまった。
なんかちょっと巴ちゃんには申し訳ないことをしちゃったかも。
「よし!じゃあ今度はアタシだな!つぐ、びっくりするなよ?」
そういうと巴ちゃんはバッグと共に持ってきた袋を私にくれた。
なんか結構大きそうなものだけど、なにが入っているんだろ?
開けてみるとそこに入っていたのはポットだった。
「コレってもしかして、コーヒー入れるときに使うポット?」
「さすがつぐみ!この前ひまりからつぐみが、つぐスペシャルつくっているって言ってたからさ、それでコーヒーのもの何かないかなって思ってさ」
「巴ちゃん、ありがとう!そしたらすぐにでも、つぐスペシャルつくってくるよ!ちょっと待ってて!」
そういうと私はポットを片手に厨房へと向かった。
みんなを待たせてはいけないというのもあったけど、なにより巴ちゃんがくれたこのポットで、早くつぐスペシャルをつくりたかった。
「おまたせー。熱いから気をつけてね」
そう言って私はみんなにコーヒーを振る舞った。巴ちゃんのポットのおかげなのか、いつもより上手くできた気がする。
「うん…おいしいよつぐみ。」
「さすが、つぐ。天下一品級ですなあ」
「えへへ。ありがとね。でももっとおいしく出来るはずだから、これからも頑張らなきゃ!」
巴ちゃんのおかげで、さらにやる気が出ちゃった。
巴ちゃんありがとう。大事に使わしてもらうね!
「じゃあ最後に私からひまりちゃんだね!」
「つぐからプレゼントもらうの久しぶりだな~!なにが来るんだろ」
そういうと私はお店の奥から一本の棒を持ってきた。
「つぐ、この棒ってなんだ?」
「コレってもしかして…自撮り棒じゃない?!」
「うん!そうだよ!ひまりちゃんよく写真とっているし、みんなで写真撮るときにも便利かなって思って!」
「確かに!便利だね!あっ、じゃあさみんなで写真とろうよ!せっかくだし」
ひまりちゃんがそう言うとみんながひまりちゃんの周りに集まり出した。
恥ずかしがる蘭ちゃんはモカちゃんに連れられてだったけど。それも蘭ちゃんらしいね。
「じゃあみんな写真とるよ!もちろんかけ声はいつもので行くからね」
「行くよー!3,2,1!えいえいおー!」
こうして楽しい時間は過ぎていき、気がつけば時間は日をまたぐ時刻になっていた。やっぱり楽しい時間は過ぎるのがはやいね。
みんなとは冬休みにまた会う約束をして、それぞれ解散することになった。
外は肌寒いけど、私の心の中は暖かった。
また来年も同じことが出来たらなと思いながら、私はお店の中へと戻って言った。